株式市場に関心を持つ人なら、一度はアナリストの株価予測を目にしたことがあるでしょう。「〇〇社の株価は今後〇〇円になる」「市場はこれから上昇トレンドに入る」「今が買い時だ」など、専門家の意見は投資判断の参考になりそうに思えます。
しかし、実際のところアナリストの株価予測はほとんど当たりません。これは単なる偶然ではなく、市場の本質的な特性によるものです。本記事では、なぜアナリストの予測が当たらないのかを解説しつつ、インデックス投資において本当に重要な考え方を詳しく見ていきます。
株価予測が当たらない理由
アナリストの株価予測が当たらない理由
1.株価は無数の要因で動く
個人的には企業の株価を予測する上でファンダメンタルは一番重要なことだと実感しています。しかし、株価は企業業績だけで決まるわけではありません。景気動向、金利、政策、地政学リスク、投資家の心理など、さまざまな要因が絡み合って決まります。
例えば、2023年には米国の利上げやインフレ動向が市場に大きな影響を与えました。2024年にはAI関連株が急騰し、株価を押し上げました。このように、何が株価に影響を与えるかを正確に予測するのは極めて困難なのです。
2.短期の値動きは予測不能
市場は日々変動しており、短期の価格変動はランダムに近いとされています。例えば、2025年にS&P500が急落した場合、「なぜ下がったのか」を事後的に説明することはできますが、事前に正確に予測することは不可能です。
過去のデータから見ても、「〇〇ショック」「〇〇バブル崩壊」などの大きな出来事は、ほとんどのアナリストが事前に予測できていませんでした。
3.アナリストにもバイアスがある
アナリストは企業との関係を持つことが多く、ネガティブな予測をしにくいという問題があります。また、金融機関の営業目的で強気の予測を発表することもあります。そのため、「〇〇社の株は今後上昇する」といった予測は、必ずしも客観的とは限りません。
インデックス投資で重要なこと
インデックス投資において重要なこと
1.長期投資:時間を味方につける
短期の値動きを予測するのは難しいですが、長期では市場は成長してきたという実績があります。
例えば、S&P500の長期チャートを見れば、短期的には大きく下落することがあっても、数十年単位で見れば上昇していることがわかります。これは、世界経済の成長とともに企業の利益が増え、株価も上昇していくためです。
2.分散投資:リスクを抑える
個別株に投資すると、その企業の業績悪化や不祥事で株価が急落するリスクがあります。しかし、インデックス投資なら市場全体に分散できるため、特定の企業のリスクを抑えられます。
例えば、eMAXIS Slim S&P500やeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)などの投資信託は、数百~数千の企業に分散投資できるため、リスク分散の効果が高いです。
3.低コスト:コストはリターンを削る
投資では「コストをいかに抑えるか」が重要です。なぜなら、コストは確実にリターンを減らす要因だからです。
例えば、アクティブファンドは運用者が頻繁に売買を行うため、手数料(信託報酬)が高くなりがちです。一方、インデックスファンドは市場平均に連動するだけなので、運用コストが低く抑えられるのが特徴です。
eMAXIS Slimシリーズなどの低コストファンドを選ぶことで、余計なコストを抑え、より多くのリターンを得ることができます。
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まとめ
インデックス投資は「予測しない投資」
アナリストの株価予測に頼る投資は、結局のところギャンブルに近いものになってしまいます。予測が当たれば大きな利益を得られるかもしれませんが、外れるリスクも高く、安定したリターンを得るのは難しいです。
だからこそ、インデックス投資では「予測しないこと」が重要です。
・長期投資を前提にする
・分散してリスクを抑える
・低コストのファンドを選ぶ
この3つを守れば、市場の成長とともに資産を増やしていくことができます。
「未来を予測するのではなく、市場の成長に乗る」
これこそが、インデックス投資の本質であり、資産形成を成功させるカギなのです。