現在、株式市場は不安定な動きを見せています。新NISAを始めたきっかけとして、「インフレが進むと、お金の価値が下がるから貯金だけではダメ」と聞き、将来の資産のためにNISAを活用している方も多いのではないでしょうか?
しかし、いざNISAで運用を始めてみると、「貯金だけではダメだと聞いたからNISAを始めたのに、え?貯金よりも減っているんですけど…」と不安になって、「もうやめようかな。これでは普通に貯金していた方が安全だわ。」と思っている方も多いのではないでしょうか?
こうした状況の中でも、いかに売らずに持ち続けることができるかが将来的に大きなリターンを得られるかを左右します。そのため、今回は「インフレで貯金の価値が下がると言われてNISAを始めたのに、株価が下がって含み損を抱えた話」をテーマに、長期投資の重要性を解説します。
インフレ vs. 貯金
「貯金だけでは資産が減る」と言われている理由
最近よく聞くのが、「インフレが進むと、お金の価値が下がるから貯金だけではダメ」という話。これは、インフレ(物価上昇)が続くと同じ100万円でも買えるものが減るため、実質的に資産が目減りするからです。
例えば、インフレ率が年2%なら、10年後の100万円の価値は…
→ 約81.7万円相当(実質的に18.3%減少)
つまり、インフレ対策として「投資」が推奨されるわけですが、実際に投資を始めた人の中には…
株価下落で含み損
「え?貯金よりも減っているんですけど…」
ここ最近の株価下落で「投資したのに含み損が増えてる!」と不安になっている人も多いのではないでしょうか?
例えば、S&P500や全世界株式に投資していた人は、2025年2月下旬からの株価下落で一時的に含み損になっている状況にあります。
「インフレ対策で投資しろって言われたのに、貯金より減ってるじゃん!」
こんな気持ちになるのも当然です。でも、ここで重要なのは長期目線。
長期で見たらプラス
それでも長期目線で見たらプラスとなる可能性が高い理由
株式市場は短期的には変動が激しく、下がる時期もあれば上がる時期もあるもの。しかし、過去のデータを見れば、長期で持ち続けた人は報われているケースが多いです。
過去の暴落と回復までの期間(米国株式を例に)
歴史的に見ても、大きな暴落は何度もありましたが、時間をかけて市場は回復し、さらに成長を続けています。
暴落の原因 | 下落率 | 回復までの期間 |
ブラックマンデー(1987年) | −22.6%(1日で) | 約2年 |
ITバブル崩壊・同時多発テロ(2001年) | −49.1% | 約7年 |
リーマンショック・世界金融危機(2008年) | −56.8% | 約5年半 |
コロナショック(2020年) | −33.9% | 約半年 |
例えば、リーマン・ショックの時は、S&P500が約57%下落し、回復するのに5年以上かかりました。一方、コロナ・ショックでは急落したものの、半年で元の水準に戻っています。
つまり、暴落は必ず起こるものの、時間をかければ市場は回復しているのです。
S&P500の長期リターン(過去のデータ)
・1年後 → 上がる確率:75%(25%はマイナス)
・5年後 → 上がる確率:88%(12%はマイナス)
・10年後 → 上がる確率:94%(6%はマイナス)
このデータが示すように、短期の変動は避けられませんが、長期で持てば持つほどプラスになる可能性が高いのです。
長期投資を続けることで、短期の暴落に一喜一憂せず、市場の回復と成長の恩恵を受けられる可能性が高くなります。
大事なことは「信念を持つ」
だからこそ大事なのは「自分の信念を持つこと」
短期の下落で焦って売ってしまうと、本来得られた利益を逃してしまうことも。特に、新NISAなどの非課税制度を活用している人は、長期で運用するメリットが大きいので、焦らず冷静に対応しましょう。
「インフレで貯金の価値が下がるのが嫌だ」
「でも投資したら短期で含み損になった」
このジレンマを乗り越えるには、「自分はなぜ投資しているのか?」を明確にしておくことが大切です。
・インフレに負けないため?
・将来の資産を増やすため?
・老後に備えるため?
こうした目的を再確認し、短期の変動に惑わされずに「自分のルール」を持つことが重要です。
「握力(ホールド力)」
そして、長期投資で重要なのが「握力(ホールド力)」です。
どんな暴落が来ても、売らずに持ち続ける強い意思があるかどうかが、最終的なリターンを左右します。
・暴落で「もう無理だ!」と売った人は、回復の恩恵を受けられない
・握力を持って持ち続けた人は、長期的なリターンを享受できる

どんなに優れた投資戦略でも握力がなければ意味がなく、短期の値動きに左右されず、自分の投資の目的を信じてホールドすることが大切です。
まとめ
投資は長期戦、短期の変動に惑わされないことが大事
・インフレが続くと貯金の価値が下がる(だから投資が推奨される)
・でも短期では株価が下がることもあり、含み損になることがある
・過去のデータを見ると、長期で持てばプラスになる可能性が高い
・だからこそ、目先の下落で焦らず「自分の投資の目的」を見失わないことが大事
特に、新NISAのような長期投資向けの制度を活用している人は、短期の値動きに惑わされずにコツコツ積み立てを続けることが成功のカギです。
「今の株価下落が不安…」という人も、ぜひ自分の投資の目的を再確認してみてください!
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