資産形成は「生活を守る」ためのもの
資産形成というと、「投資で稼ぐ」「お金を増やす」というイメージを持つ人が多いかもしれません。
でも現代社会において、目的はそこではありません。
資産形成とは、自分と家族の生活を守るための手段です。
物価が上がっても、円の価値が下がっても、安心して暮らせるようにする。
その「生活防衛の力」をつけることこそ、今の時代に求められています。
加速するインフレと円安
最近、スーパーや電気代、ガソリン代など、
「なんか全部高くなってない?」と感じることが多いですよね。
実際、物価はこの数年で急上昇しています。
一方で給料はそれほど上がっていません。
つまり、同じお金で買えるモノやサービスが減っている=お金の価値が下がっているということ。
それが今の日本の「実質的なインフレ」です。
なぜインフレと円安が進むのか
日本のインフレの背景には、金利差と構造的な要因があります。
・アメリカや欧州が高金利を維持する一方で、日本は超低金利を続けている
・この金利差によって「円が売られ、ドルが買われる」=円安が進む
・円安になると輸入品価格が上がり、物価がさらに上昇
日銀が簡単に利上げできないのは、国の借金が多く、利上げをすると国債費が急増してしまうため。
つまり、日本は構造的に円安・インフレに向かいやすい状況にあるのです。
現金だけでは「守れない」時代に
昔は「貯金が一番安全」と言われていました。
しかし今は、インフレによって現金の価値が目減りするリスクが現実的になっています。
例えば、年2%のインフレが続くと、
10年後には今の100万円の価値が約82万円分に減る計算です。
つまり、何もしないことがリスクになりつつあるのです。
インフレに強い資産とは?
インフレに強い資産の代表は以下のようなものです。
・株式・投資信託:企業の成長とともに資産価値が上がる
・外貨建て資産:円安時に価値が上がる(ドルなど)
・実物資産(金・不動産など):物価上昇に連動して価値が維持されやすい
特に、長期・分散・積立という基本を守ることで、リスクを抑えながらインフレに強い体質をつくれます。
これからの資産形成術
2024年から始まった新NISAは、まさにこの「生活防衛のための資産形成」を支える制度です。
税金がかからず、長期で運用できる仕組みはインフレ時代にとても有効です。
おすすめの考え方はシンプルです。
・長期でコツコツ積み立てる(時間を味方につける)
・分散して持つ(S&P500、全世界株式など)
・途中で動かさない(焦らず継続)
為替リスクを怖がるよりも、円安にも強い資産を持つという発想が大切です。
「お金を働かせる」という思考
もちろん節約は大事です。
でも、節約だけではインフレに勝てません。
限られたお金を守るには、「お金にも働いてもらう」仕組みをつくること。
それが投資であり、資産形成の本質です。
まとめ
差がつくのは「情報と行動の差」
インフレも円安も、私たちの力では止められません。
でも、「どう行動するか」は選べます。
これからの時代に本当に差がつくのは、
お金の多さではなく、正しい情報を知り、行動した人です。
資産形成は、誰かと競うものではなく、
「未来の自分と家族を守る」ための静かな準備。
その一歩を、今から始めてみましょう。
【免責事項】
本記事は投資行動を推奨するものではなく、あくまで一般的な情報提供を目的としています。投資はご自身の判断と責任にて行ってください。
